※管理栄養士が執筆しています。
この冬の季節、比較的安価で美味しいキャベツですが、丸々一個買ってもなかなか使い切ることができず傷んでしまった…。こんな経験ありませんか?
大家族であれば容易ですが、一人暮らしの方、夫婦二人で生活していたら使い切ることは難しいですよね。
そんな使い切れないキャベツは冷凍して保存しておくことができます。しかし、冷凍保存の仕方を知らないと、鮮度が落ちてしまい、味が落ちます。
そこで今回は、冷凍するとなぜまずくなるのか、鮮度を保つための対処方法を紹介していきます。
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キャベツの冷凍がまずいときの原因は?
キャベツを冷凍させるとまずくなってしまう原因として、キャベツの水分量が関係しています。
キャベツは約9割が水分で、冷凍すると氷の結晶となり、細胞や組織を壊してしまうため、解凍した際に、シャキシャキ感やみずみずしさがなくなってしまいます。
そして、冷凍した日数が長ければ長いほど氷の結晶が大きくなり、キャベツの劣化が進んでしまいます。
またキャベツを冷凍させる際、ゆっくり時間をかけて冷凍させることもまずくなる原因の一つです。キャベツの水分が氷になるまでの時間が長ければ長いほど、水分が失われていき、こちらもシャキシャキ感やみずみずしさがなくなってしまう原因となります。
冷凍したキャベツがすっぱくなり、硫黄臭がするのも、酸化が進んでしまって傷んできている合図ということです。
キャベツの鮮度を保つためには、「できるだけ短い時間で冷凍させ、早めに使い切る」ことがおいしく食べるためには大切です。
キャベツの冷凍保存のおすすめ手順
①小さく細くカットする
シャキシャキした食感はキャベツには繊維が多いからで、解凍後はどうしても食感が悪くなってしまいます。繊維を断ち切ることで解凍後でも食感を損なわないように小さく、細めにカットしましょう。
②水分をしっかり切る
キャベツ自体の水分量が多いので、ペーパータオルなどを使用しできるだけ水気をふき取ります。少し面倒に感じる方も多いと思いますが、これを行うことで解凍後おいしく食べることができます。
③生のまま冷凍する
できれば生のままの冷凍が望ましいです。もし茹でてから冷凍するのであれば、しっかり水気を取り冷ましてから冷凍させましょう。
④少量ずつ冷凍する
キャベツの鮮度を保つためには、短時間で冷凍させることが重要です。かさばった状態で冷凍させると時間もかかるので、少量ずつ小分けにして冷凍させましょう。重ならないように冷凍させると、より素早く冷凍させることができます。
キャベツの冷凍保存のコツ7個
キャベツをできるだけ長持ちさせ、おいしい状態を冷凍で保つためのコツをご紹介します。
1. 使いやすい大きさに切る
できるだけ用途に合わせたカットをしてから、すぐに料理に使えるようにしておくとおいしい状態で食べることができます。
2. キャベツの芯はとる
キャベツの芯を一緒に冷凍させると劣化が進みやすくなります。できるだけ芯を取り除いてから冷凍すると長持ちします。
3. ざるやペーパーを使用して水分を取り除く
もともと水分量の多いキャベツなので、洗った際の水などついたまま冷凍させるのはNG。しっかり水を切りましょう。
4. 小分けで保存する
冷凍する時間をできるだけ早めるために、小分けにしてから冷凍させましょう。面倒ですが、このひと手間が大事です。
5. 空気に触れないようにする
酸化し劣化の原因になります。ジップロックなどで保管するようにしましょう。
6. 金属トレーを使用して冷凍する
熱伝導がよくなるので、冷凍する時間が短縮できます。なるべく重ならないように並べるとGOOD。
7. 冷凍しているときは冷凍庫を開けない
冷凍庫を一度開けると10℃ほど温度が上がるといわれています。素早く冷凍させるために、冷凍中は冷凍庫を開けないようにしましょう
キャベツが冷凍後に変色する原因
キャベツは冷凍すると、紫色やピンクに変色してしまいます。これはキャベツに含まれる「アントシアニン」という成分が要因です。
なすやブドウ、ブルーベリーなどの紫色の食材に多く含まれている成分です。このポリフェノールの一種であるアントシアニンは、低温下で糖分を蓄えようとする働きがあるので、冷凍させると変色してしまいます。紫キャベツが緑のキャベツより甘みがあるのはこのアントシアニンが関係しています。
見た目が悪くなるので、食べづらいと感じる方も多いと思いますが、加熱することで本来のキャベツの色に戻るので気にする必要はありません。
キャベツは冷凍後に腐る?茶色のときは?
キャベツは冷凍すると茶色や黒色に変色することがあります。これはキャベツに含まれている「ポリフェノール」が空気中の酸素に触れて、酸化してしまったからです。
コールスロー(千切りしたキャベツ)が変色しやすいのも、空気に触れる箇所が増えるためです。
黒色(斑点のような模様)になっている部分は、カビではなく酸化による変色なので食べても問題はありません。しかし、酸化していることには変わりませんので、食感や味に影響がある場合があります。
変色部分を除去して食べる、また茹でたり焼いたりして火を通すと安心して食べることができます。冷凍する際はできるだけ空気に触れないように、ジップロックなどで密封してから保存すると良いでしょう。
キャベツが冷凍後に臭い・酸っぱいときは?
キャベツは冷凍後でも腐ることがあります。キャベツが酸化して、酸っぱい臭いや、異臭がしたときは腐っている可能性があるため、食べるのは控えましょう。
・異臭がする
・酸っぱい
・ヌメリがある
などのときは要注意です。
キャベツを冷凍してしまったときの対処法3個
冷凍したキャベツを上手に使う対処法を紹介します。
1. 加熱調理する場合は「凍ったまま」使う
凍ったままの状態で加熱することで、キャベツの水分を出しすぎず、食感を残した状態で食べることができます。
炒める場合は低温でじっくり加熱するよりも、高温でさっと加熱する方が余計な水分が出ずに料理することができます。
2. 生で食べたい場合は流水もしくは氷水で解凍する
サラダなど生で食べたい場合は、流水もしくは氷水で解凍させると良いです。このように解凍させることで、キャベツの繊維が壊れずシャキシャキ感が残り、おいしく食べることができます。
3. 汁の具材で使う
ポトフやみそ汁など汁の具材に使用することで、多少食感を失ったとしてもおいしく食べられます。冷凍していることで柔らかくなるまでの時間が生の時より早いので、煮込みすぎに注意が必要です。
冷凍キャベツの水っぽい・ベチャベチャになるのを防ぐ方法
冷凍したキャベツが水っぽく、ベチャベチャになってしまうのを防ぐには「自然解凍」をしないことです。
徐々に温度を上昇させることで、冷凍されているキャベツの氷(水分)が溶け出し、どんどん食感の悪い状態になってしまいます。
冒頭でもお伝えしましたが、冷凍するときも解凍するときもできるだけ早くすることでおいしい状態で食べることができます。冷凍も解凍もスピーディーを心がけましょう。
キャベツの冷凍保存期間は?二ヶ月は長い?
キャベツの冷凍できる期間はジップロックなどに入れて保管しても、大体1ヶ月が限度だといわれています。
2ヶ月以上保管すると、変色や異臭がしたり品質に問題が出てくる場合がありますので、おすすめはできません。
家庭用の冷凍庫は出し入れが頻繁にあり、その際に冷凍庫内の温度が急激に上がりやすいため、霜がついて酸化し、味や食感が落ちやすくなります。
もともと水分量の多い食材で長期の冷凍保存には向かないので、できるだけ早く消費するようにしましょう。
まとめ
いろんな料理に使いやすいキャベツ。せっかく購入したのであれば無駄にすることなく使用したいですよね。今回はキャベツの長期冷凍保存の方法についてまとめてみました。
キャベツも冷凍の仕方を知れば長期保存でき、おいしく食べられます。うまくやりくりして最後までおいしく食べられるよう、工夫していきましょう。今回紹介した方法をぜひ試してみてください。