一人暮らしで気になる「食費」。少しでも節約しようと、自炊を心掛けている人も多いのではないでしょうか。
でも、意外に自炊ってコスパが悪かったりするんです。節約するつもりが、実は自炊のほうが高くついてしまっては本末転倒ですよね。自炊のコストパフォーマンスを高めるにはどうすればいいのでしょう。
今回は「自炊のコスパ」について徹底検証します。ぜひ今後の自炊生活に役立ててください。
一人暮らしで自炊がコスパ悪いときの理由8個
どうして自炊はコスパが悪くなってしまうのでしょうか?おもな理由は次の通りです。
1. 食材を使いきれない
一人分の食事にそれほど食材は必要ではありません。毎食同じものを食べるわけにもいきませんから、どうしても食材が余ってしまいます。キャベツひと玉など、よほどの料理上手でなければ使い切ることは難しいでしょう。
せっかく買った食材も使い切れずに腐らせてしまうなんてもったいないですよね。これでは、一食分のコストを低く抑えられても、トータルでみるとコスパは悪くなってしまいます。
2. 食材が割高
一人暮らしの場合、袋詰めされたパック売りのものよりバラ売りを選ぶことが多いでしょう。しかし、バラ売りはパック売りに比べると単価が高く、割高になります。おひとり様用サイズの野菜や食材も同様です。
一人暮らしだと冷蔵庫も小さめですから、たくさん買って保存するのも難しいもの。そのため、買い物回数が増えてしまうのも、コスパを悪くする原因です。
3. 余計なものを買ってしまう
買い物にいくと、つい目についた余計なものを買ってしまいがち。お菓子やお惣菜、お得商品などみると、買う予定がないのに手が伸びてしまいますよね。そのような誘惑に負けていてはコスパは悪くなるばかり。
コスパよく自炊を成立させるのなら、無駄な買い物はNGです。余計なものは買わないよう事前に買い物リストを作成しておくなど、自制が大切です。
4. 相場を考えずに購入している
食材は旬や地域、店舗によって値段が変わります。「近くだから」と、あまり考えることなく高い値段で食材を買っていたりしませんか?コスパを考えるなら「何を」「どこで」買うかもきちんと検討しましょう。
旬の野菜は他の野菜に比べると出荷量も多く、値段も控えめ。逆にブランド食材や高級志向の店舗の商品はお値段も高めです。コスパに見合った店舗を選びましょう。
5. 調味料にお金がかかる
自炊にはいろんな調味料が必要になります。味付けの基本だけでも「さしすせそ(砂糖、塩、酢、醤油、味噌)」の5種類が必要ですし、料理にこだわるほどに調味料は増えていきます。
最近は油に気を遣う人も多いでしょう。オリーブオイルやごま油なども安いものではありません。意外にこんなところにもお金がかかっていたりするものです。
6. 光熱費がかかる
料理には当然家電を使いますから、光熱費が発生します。IHコンロや電子レンジ、炊飯器、冷蔵庫、それにキッチンの明かりなど、さまざまな電気代、ガス代がかかります。
時短のため電子レンジを使うことも多いでしょう。確かに時間の節約にはなりますが、その分、電気代がかかります。食材費を抑えても、光熱費がかかることを覚えておきましょう。
7. 調理器具代がかかる
料理をするには調理器具が必要です。フライパンや鍋といった大きなものはそれほど買い替えることがないかもしれませんが、フライパン返しや菜箸などは必要に応じて買い替えなければなりません。
料理にこだわりはじめると、大根おろし器やスライサーなどいろんな器具がほしくなることも。調理器具も食費として考えてみましょう。
8. 料理する労力・時間がかかる
コスパはお金だけの問題ではありません。メニューを考えたり料理のために使われる時間や労力も立派なコスパです。買い物に行く、調理器具を用意する、料理する、食器・器具を洗う、片づける…、一食作るだけでもこれだけの工程があります。
その一食を作るために割く時間や体力、思考はコスパに合うかどうか考えてみましょう。もしかしたら、外食のほうがコスパに見合うかもしれません。
一人暮らしは惣菜や弁当を買った方が安い?
自炊のコスパが悪いなら、いっそのことお惣菜やコンビニ弁当ですませたほうがいいのではないか?なんて思ってしまいますよね。確かに、食事ができるまでの工程や労力などを考えると、そのほうがコスパがいいこともあるでしょう。
スーパーなどでは、夕食時間以降に総菜やお弁当が値引きされたりします。少し遅めの夕食にはなりますが、これらの商品は狙い目です。手間暇かける労力とコスパを天秤にかけるのであれば、このような割引食品もお勧めです。
しかし、スーパーのお弁当の種類にもよりますが、栄養が偏りやすい場合もあります。また、近所に安いスーパーがなければ、弁当を買うのは高くつくでしょう。
休みの日などに一度にまとめて料理して冷凍しておくと時短もできて安く済みます。使いまわしのきく万能たれや漬物、日持ちのきく常備菜を用意しておくのもいいでしょう。工夫次第で、自炊も安くあげることができます。
一人暮らしは外食の方が安い?
外食は労力と時間部分でのコストをカットでき、手軽に食事をとることができます。しかし、金額という面ではやはり割高となります。
1食で考えた場合、牛丼一杯が400円、自炊なら200~300円程度に抑えることができるでしょう。食費を抑えたいなら、外食よりも自炊したほうが安いのです。
ちなみに、総務省の調査(2022年)によれば、単身世帯の1か月の食費平均は39,069円。単純計算で1日1,260円ぐらいですが、自炊すれば900円以内に収めることができるでしょう。
一人暮らしの食事のコスパ比較
一人暮らしでよくある食事の選択肢としては、
・自炊
・外食
・惣菜
・冷凍弁当
がありますが、それぞれの比較表は次のとおりです。
お金 | 時間 | 栄養 | 味 | |
自炊 | ◎ | ✕ | ◯ | △ |
外食 | ✕ | ◎ | △ | ◯ |
惣菜 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
冷凍弁当 | ◯ | ◎ | ◎ | ◯ |
自炊は、お金がかからないものの、ある程度時間はかかります。また、味は本人次第で大きく変わります。
外食は時間はかかりませんが、お金がかかります。そして栄養が偏りがちです。栄養たっぷりの食事にするとさらに高くなることが多いでしょう。
惣菜は全般的にまずまずですが、お得なスーパーが近くにないと良いおかずが揃いません。
冷凍弁当は電子レンジで温めるだけなので時間がかかりません。栄養が考えられたメニューなので、健康的な食事をとることができます。
一人暮らしの自炊で食費を節約する方法6個
少しでも食費を節約したいなら、次のことを試してみてください。
1. 一週間の食事メニューを決める
前もって一週間の食事メニューを決めてしまいましょう。あらかじめメニューが決まっていれば、それに必要な食材を買うだけです。「何を作ろうか?」なんて悩む時間もコストカットできます。
買い物に出かける前には「買い物リスト」の作成がお勧め。余計なものを買わずにすみますし、あとで「これが足りなかった!」と買いに走る心配もありません。
2. 食材を使い切るメニューを考える
メニューを考えるときは、食材を中心に考えるといいでしょう。
まずは、食べたい一品を考えてみましょう。「餃子が食べたい」なら、ひき肉とニラが必要です。餃子づくりで余ったひき肉はハンバーグにしたり、麻婆豆腐に使うことができます。ニラはチヂミにしたり、万能だれに活用したりなど。
ひとつの食材から複数メニューを考えていけば無駄が出ず、コスト削減になります。そして、メニューの幅が広がるのも嬉しいことです。
3. 作り置きをする
食事は作り置きできるものがお勧め。ハンバーグや餃子は冷凍保存できますし、常備采など保存がきく食材も多くあります。
肉や魚もお休みの日に下処理しておいて、食べるときに電子レンジで調理するなどにしておけば時短にもなります。いまは「作り置きレシピ」も豊富ですから、いろいろと試してみるといいでしょう。
4. 食材を冷凍保存する
食材は下処理して小分け、冷凍保存しておけば、いつでも必要な時にサッと取り出すことができます。電子レンジで温めるだけなら手間暇もかかりません。
ブロッコリーや刻み葱など副菜としやすいものからイモ類まで、意外に冷凍できる食材は多くあります。安い時にまとめ買いして、冷凍保存しておきましょう。
5. 安い店舗・食品を見極める
本腰いれて節約に取り組むなら、店舗ごとの料金調査は必須。近隣にあるスーパーなどを比較して安いお店をみつけましょう。野菜や果物は商店街にある生鮮市場のほうが安かったりもします。食材によっては店舗を分けるのもいいですね。
旬の食材は流通量が多い分、値段も控えめ。まとめ買いとバラ売りの単価の違いといった食材情報もチェックするといいでしょう。
6. 冷蔵庫の中を整理整頓する
冷蔵庫・冷凍庫の中はこまめに整理整頓して、なにがあるかを把握しておきましょう。パッと見た瞬間に中身がわかれば食材の無駄を省くことができます。
奥のほうからしなびたキュウリや芽が出たじゃがいもが出てきたりしたら気分も萎え、料理をする気力も奪われてしまいますよね。節約はまず冷蔵庫からはじめましょう。
まとめ
一人暮らしの自炊は、ちょっとした工夫がコスパ効率を高めてくれます。モチベーションを維持するためにも、たまには手を抜いて外食してみるのもいいでしょう。コスパばかりに気を取られず、栄養バランスや食べる楽しみもおさえていくといいですね。
普段の食生活と冷蔵庫の中身を見直して、たのしい節約自炊生活を送りましょう。