なかなかお腹が空かない状態で食事をするのもつらいもの。せっかくなら、空腹を感じた時においしいものを食べたいですよね。心と身体を満足させるためにも、しっかりとお腹が空いた時に食事するようにしましょう。
今回は、お腹が空く原因とともにお腹を空かせる方法を紹介します。本当の空腹状態で食事をすれば、食事もさらに美味しく感じられるはずです。
お腹が空く原因3個
1. 血糖値が下がる
食事で摂取したブドウ糖は、血液に入ると血糖に変わり体中に運ばれます。この血糖が、満腹感や空腹感を大きく左右します。人は体内の血糖が少なくなると、空腹感を感じるようになるのです。
食べたものを消化するまでには約3時間ほどかかるため、もし食後1〜2時間でデザートなどを見て空腹を感じた場合は、外的要因になるもので偽の空腹感でしょう。
参照:全国健康保険協会
2. 血糖値スパイク
体内の血糖の値を血糖値と言います。「血糖値スパイク」とは、血糖値が急降下・急上昇する現象のこと。
甘いものや炭水化物を大量に摂取すると、急上昇した血糖値を下げるために多くのインスリンが分泌されます。そ
の結果、急激に血糖値が下がり空腹を感じるようになるのです。急激な血糖値の変化は、生活習慣病の原因にもなります。
3. 睡眠不足
睡眠不足も、空腹を感じる原因の一つです。人は眠っている間に様々なホルモンを分泌しています。その中でも、「レプチン」と「グレリン」というホルモンは食欲に関わるもの。
睡眠不足が続くと、食欲抑制ホルモンであるレプチンの分泌が抑制され食欲増進ホルモンの「グレリン」の分泌が促進されます。その結果、空腹感を感じやすくなるのです。
お腹を空かせる方法7個[筋トレや運動]
1. 水泳
全身を使う水泳は、消費カロリーが高いスポーツのひとつです。水の圧力がある水中では、地上とは違う負荷が身体にかかります。全身を使うことで、効率良く全身の筋肉も鍛えられるでしょう。
また、水に入ることで身体の体温も奪われます。身体の体温を回復するためにエネルギーが使われるため、さらにカロリーも消費できます。たくさんのカロリーを消費した後には、しっかりとした空腹感を感じるようになるでしょう。
2. ウォーキング
ウォーキングもお腹を空かせるのにおすすめのスポーツです。ウォーキングであれば、運動が苦手な人や忙しい人でも取り入れやすいでしょう。
体力に自信がない人は、まずは10分程度のウォーキングから始めてみましょう。慣れてきたら少しずつ時間を増やしてみてください。
ウォーキングのポイントは、大股で少しきつさを感じるスピードで行うこと。しっかりと腕を振ることで、腕の筋肉も鍛えられます。
3. ジョギング
体力に自信がある人には、ジョギングがおすすめです。全身を使うジョギングも、水泳と同じようにエネルギーを多く消費するスポーツです。
有酸素運動であるジョギングは体脂肪を燃焼させるため、短時間行うだけでお腹も空きます。
ジョギングのポイントは、やや前傾の姿勢で、会話ができるくらいのスピードで走ることです。ケガの防止のためにも、走る前には準備運動をするようにしましょう。
4. ヨガ
激しい運動が苦手な人には、ヨガが良いでしょう。普段使わない筋肉を使うヨガは、全身の筋肉を鍛えられるスポーツのひとつです。
色々なポーズをすることで、身体の歪みも矯正されます。呼吸や瞑想を取り入れながら行うヨガは、身体だけではなく心の健康にも働きかけてくれます。
定期的にヨガを行えば、心身のバランスも取れ、自律神経も整っていくでしょう。ヨガは、偽の食欲を引き起こすストレスも解消してくれるのです。
5. 水中運動
「水泳はちょっと…」という人は、水中運動をするのはどうでしょうか。水の中でウォーキングやエクササイズを行う水中運動は、楽しみながらお腹を空かせられます。
実は、水中運動は、お年寄りにもおすすめのスポーツ。浮力が働く水中であれば、関節への負担もかかりません。仲間と楽しむのも良いかもしれませんね。
スポーツ施設に用意されているプログラムを利用すれば、初心者でも安心して行えるでしょう。
6. バランス運動
体幹を鍛える運動のことをバランス運動と言います。バランス感覚を鍛えるバランス運動は、お年寄りにおすすめのスポーツ。
バランス感覚は、日常の転倒やケガを防ぐためにも欠かせないのです。簡単な運動で身体が鍛えられるのも、バランス運動のポイントです。
また、バランス運動にはバランスボールなどのグッズも用意されています。自分にぴったりなグッズを取り入れ、日常的にバランス運動を取り入れていきましょう。
7. 筋トレ
スクワットやダンベルなどの筋トレも、お腹を空かせる運動のひとつです。負荷をかけることで筋肉が鍛えられ、ブドウ糖の消費量も増えていきます。
血糖値の状態が整えば、偽の空腹を感じることもなくなります。筋トレと言っても、簡単なもので問題ありません。
まずは初心者でも簡単にできる、スクワットや踏み台昇降から始めてみましょう。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動と一緒に行えば、さらに効果的です。
お腹を空かせる方法7個[その他]
1. 入浴する
身体が温まると血行も良くなり、消化機能が活発になります。普段はシャワー派の人も、たまにはゆっくりと入浴するようにしましょう。
入浴中に簡単な運動を行えば、さらにカロリーも消費できます。マッサージやストレッチをすることで、凝り固まった身体もほぐれていくでしょう。
そして、リラックスできるのも入浴がおすすめな理由の一つ。ストレスは、正常な空腹感を乱す原因になってしまいます。
2. 掃除をする
日常的に行っている家事も、お腹を空かせるには最適です。家事の中でもおすすめなのは掃除。掃除機をかけるだけではなく、雑巾がけや窓ふきを行うことで全身の筋肉も使われます。
筋肉を意識して掃除をすれば、エネルギー消費量も多くなります。時間がある時には、食事前に30分〜1時間ほどかけて掃除を行うようにしましょう。
掃除の他に、買い物もおすすめです。カートを使わずに買い物かごを使えば、腕の筋肉も鍛えられます。
3. ゆっくり眠る
しっかりと眠った翌朝に、心地良い空腹感を感じた経験はありませんか?人は眠っている間にもエネルギーを消費します。
良質な睡眠は、疲労回復だけでなくダイエットにも一役買ってくれるのです。身体の右側を下にして睡眠をとれば、消化も促進されます。
また、しっかりと眠ることは、自律神経を整えるためにも大切。自律神経が整えば内臓機能も活発化し、適切な時間に空腹感を感じやすくなります。
4. 消化の良い食べ物を食べる
空腹感を感じるためには、食事の内容も大切です。消化機能が正常な人でも、食べたものによっては消化が遅くなります。消化するのに時間がかかれば、なかなかお腹も空かないでしょう。
夜遅くに食事をする人や消化機能が弱い人は、できるだけ消化が良い食べ物を食べるようにしてください。
おすすめはおかゆやスープ、うどんなどの麺類です。逆に繊維質の多いものや、いかやタコなどの魚介類は、消化に時間がかかります。
5. 頭を使う
勉強や仕事に集中した後、強い空腹感を感じたことはありませんか?脳のエネルギーはブドウ糖。人は頭を使えば使うほど、多くのブドウ糖を消費するのです。
長時間頭を使えば、その分お腹も空いてきます。そして、頭を使うのは勉強や仕事だけではありません。
本を読んだり、パズルやゲームをするだけでも脳は使われます。お腹を空かせたい時には、何でもよいので自分が集中できる時間を過ごすようにしましょう。
6. 食べ物の写真を見る
テレビのグルメ番組やSNSの投稿は、おいしそうに感じるもの。おいしそうな映像や画像を見ていると、お腹も空いてくるでしょう。
なかなか空腹感を感じない時は、食べたいものの写真を見るのもおすすめです。また、写真の他に、においもお腹を空かせてくれます。
飲食店から漂ってくるおいしそうなにおいに、食欲増進した経験がある人も多いはず。食事前に散歩がてら街中を歩くのも良いかもしれません。
7. 腹8分目にする
食事をする時は、腹8分目にするのがポイントです。食べすぎや食べなさすぎは、血糖値の急上昇に繋がるだけでなく、食事時間の乱れも引き起こしてしまいます。
食事と食事の時間が長くなってしまうと、空腹後の血糖値も急上昇してしまいます。
空腹感を感じるためには、規則正しい食事時間も大切なのです。腹8分目を心がけていれば、適度な空腹を感じたタイミングで、食事をおいしく食べられます。
お腹を空かせる方法[ツボ]
胃腸の働きを促すツボを押すのも、お腹を空かせる良い方法です。押すだけで血行促進や内臓の機能を促してくれるツボ押しは、素人でも簡単にできる自然療法の一つ。場所を間違えなければしっかりとした効果が感じられるでしょう。
お腹を空かせるツボには様々なものがありますが、おすすめは「中脘(ちゅうかん)」です。中脘は、胃腸の働きを活発にするだけでなく、消化不良や胃痛にも効果的なツボ。
おへその上に指4本を横向きに並べた時に、中指に当たる部分が中脘になります。食事の前や睡眠前に5秒ほど数回押してみてください。
お腹を空かせるためのNG行動と注意点
以下は間違った認識です。
「カロリーの高い食べ物を食べれば血糖値が上がる」
「消費カロリーの多い激しい運動をすれば血糖値が下がる」
そのため、激しい運動はお腹を空かせるのに役立つわけではありません。
以下が正しい認識です。
「血糖値が上がりやすいのは、ごはんやパンなどの炭水化物の多い食べ物」
「有酸素運動で筋肉への血流が増えると、ブドウ糖が細胞の中に取り込まれて、インスリン効果が高まり、血糖値が下がる」
「筋トレで筋肉が増えると、インスリン効果が高まり、血糖値は下がりやすくなる」
有酸素運動と筋トレを心がけましょう。
参照:糖尿病情報センター
まとめ
空腹の状態でとる食事は、おいしく感じられるもの。健康のためにも偽の食欲には騙されず、しっかりとお腹を空かせて食事を取るようにしましょう。
なかなか空腹感を感じない時には、お腹を空かせる方法を試してみてください。心地良い満腹感を感じる食事は、健康だけでなく心も満たしてくれます。