「優しい子に育って欲しい」と親が願うのは当然のことです。しかし、どうすれば優しい子に育つのか分からず、悩む親も少なくありません。優しい子の親には、どのような特徴があるのでしょうか?
今回は、優しい子の親が持つ特徴と、優しい子になるための子育て法を詳しくご紹介します。
子どもの性格と遺伝
性格には先天的性格と後天的性格があり、遺伝が影響するのは50%くらいです。先天的性格が「遺伝」にあたり、俗に言う「この親にしてこの子あり」ということです。
先天的性格は周囲の影響を受けにくく、変えることは難しいです。「遺伝が影響するなら諦めるしかない」と考えてしまうことがあるかもしれませんが「良い部分を伸ばしていく」子育てをしていくと、親子ともに前向きに楽しめます。
後天的性格は、育つ環境が大きく影響すると言われています。生活環境の変化によって気質も変わっていくため、時間をかけて環境を変えていくことで、性格を変えることも可能だということです。
育つ環境というのは、家族構成、経済状況、人間関係などさまざまなもので成り立ちます。例えば、子どもの頃にトラウマを抱えてしまうと、その後の性格や人生に大きく影響を及ぼす可能性があります。
優しい子とは?
「優しい子」とは、相手の気持ちを考えられる子です。「こうすれば嬉しいかな?」「今は悲しい気持ちかな?」と相手の立場に立って考えてあげられます。
共感できると相手が嫌だと思うことはしません。例えば、動物が痛がらないようにそっとなでたり、支度に時間がかかるお友達に文句を言わずに待っていられたり、小さい子が困っていたら手を差し伸べたりするなど、生活の中で優しさが見える場面は多くあります。
親が子の優しさを見逃さないようにすることも大切です。「あなたのここが素敵だったね」「お友達はあなたがこうしてくれて嬉しかったと思うよ」と、優しい言葉掛けをすることで、さらに優しい子になっていきます。
優しい子の親の特徴10個
1. ポジティブシンキング
優しい子の親は、ポジティブシンキングであることが多いです。上手くいかなかったことをいつまでも引きずっていたり、誰かのせいにしたりすることがありません。
不愉快なことや不都合なことをゼロにするのは難しいですが、「次はこうすれば上手くいくはず!」と考え方次第で前向きになれるのです。
そうした考え方を子どもと共有することで、子どもも人や物事を寛容に受け止められるようになり、優しくなるのです。
2. 子どもの話に耳を傾け受け止める
子どもだからといって話を聞き流したり、あしらったりせず、日頃からしっかり子どもの話に耳を傾け受け止めています。
子どもにとって、自分の話をしっかり聞いてもらえるというのは、自分が親に受け入れられている証になります。
親が子どもの考えを否定せず、「あなたはそう考えているのね」とありのままを受け入れることで、他人と意見が違っても否定することなく受け止められるようになります。
3. 気持ちを言葉でしっかり伝える
「わかっているだろう」「子どもだから伝えなくても良いだろう」と思わずに、親の気持ちを言葉でしっかり子どもに伝えています。
特に「こうしてもらえて嬉しかったな」「あなたのこういうところが素敵ね」「大好きだよ」など、プラスの言葉を素直に子どもに伝えられます。
素敵な言葉をたくさん浴びた子どもは心も満たされ、他人にも優しくできる子になります。
4. 頑張りを認め肯定してあげる
優しい子の親は「頑張って考えたね」「素敵な絵が描けたね」など、子どもの頑張りを認め肯定してあげられます。
子どもなりに一生懸命取り組んだにも関わらず、親から頑張りを認めてもらえないと「自分は何もできない、価値の無い存在なのだ」と思ってしまいます。
親から肯定されることで安心感が生まれ、周りの行動にも理解を示し、寛容になれます。
5. 頭ごなしに叱らず話し合いをする
「ダメ!」「やめなさい!」と頭ごなしに叱ったり否定したりせず、「どうしてそういうことをしたの?」「どう思ったの?」としっかり子どもの話を聞いた上で「ママ(パパ)はこう思ったけどどうかな?」などと話し合いをします。
子どもは自分の言い分をしっかり聞いてくれる親を信頼し、心の拠り所とします。自分の意見や考えを聞いてもらえることで、親の意見や考えも素直に聞けるようになるのです。
6. 感謝する気持ちを大切にしている
日頃から感謝する気持ちを大切にして、言葉で「ありがとう」をしっかり伝えています。子どもは「感謝されると嬉しい気持ちになる」ということを小さい頃から学びます。
子どもに対してももちろんですが、夫婦間でも日常生活の中で「ありがとう」をこまめに伝え合っています。感謝の気持ちを大切にしている親の姿を見て、周りにも「ありがとう」が素直に伝えられる優しい子になります。
7. 子どもの目を見ている
日本人は苦手な場合が多いですが、優しい子の親は子どもの目を見て話ができるという特徴があります。ずっと見ているわけではなくても、なるべく目線を合わせてコミュニケーションをとることで、自然と子どもとの絆が生まれ、心がより育まれます。
子どもは「愛されている」と感じることができ、安心感を得ます。安心感を持っていることが、他人への思いやりや優しさにつながっています。
8. 失敗から学ぶ経験をさせる
子どもが失敗すると分かっていてもあえて手を出さず、行く末を見守り、失敗から学ぶ経験をさせます。
子どもが可愛いあまり、つい先回りをして失敗しないように手を回したくなりますが、優しい子の親は「失敗から学ぶことで心が強くなり、優しくなれる」と知っているのです。
時には辛いことにぶつかりますが、失敗の後、親が優しく子どもに寄り添い、心のケアや学びのサポートをしてあげます。
9. 多くの人と触れ合いの機会を持たせる
優しい子の親は、子どもが小さい時から多くの人と触れ合いの機会を持たせるようにしています。子どもから大人まで、さまざまな人の価値観や考え方に触れることで多様性を受け入れ、協調性が持てるようになるからです。
皆が気持ちよく生きていくためには、お互いへの思いやりが不可欠だということを、さまざまな人との交流から学ばせています。
10. 相手を尊重する言動をする
否定的な話はせず、相手を尊重する言動を意識しています。親が人の悪口を言うようでは、子どもは平気で心無い言葉を相手に言うようになります。
「この人のこういうところが素敵だね」と相手の良いところを見つけて子どもと共有することで、子どもも人の良いところを自然と探せるようになるのです。「みんな違って良いのだ」と受け入れられる優しい気持ちが育ちます。
優しい子を育てるために母親・父親ができること
優しい子を育てるためには、優しさにあふれた環境を整えることが大切です。小さいうちは、母親と父親がいる空間が生活環境の拠点です。
親がお互いを思いやり、尊重し合うことはもちろん、子どもも家族の一員として尊重することで、他人にも同じように接することができるようになるのです。
子は親をよくみて真似ようとします。悪口ばかり言っていれば、他人を悪く言っても良いのだと思い、攻撃的な性格になってしまいます。
一度普段の会話や行動を見直し、子どもに真似して欲しいと思う言動を意識していきましょう。優しさを意識した会話を母親と父親がすることで、子どもが優しく育つだけではなく、親の心もさらに磨かれていくはずです。
優しい男の子の育て方
優しい男の子を育てる秘訣は2つあります。
1つ目は「優しい言葉をたくさんかける」ことです。
日本人は恥ずかしさから「大好きだよ」など、愛のある言葉を直接言いません。親が言わなければ、子どもも言わないのは当然です。「こんな言葉を伝えられる子になって欲しいな」と思うのなら、あなたが言葉でたくさん伝えていきましょう。愛のある言葉かけをすることで、自己肯定感も高まります。
2つ目は「不安がっている時に駆けつける」ことです。
全てに手を出す必要はありませんが、不安な気持ちに寄り添うことで、子どもは親からの愛を感じ安心感を得られ「自分は大丈夫だ」と思えるようになります。心が満たされていることで、将来他人が困っているときに手を差し伸べられる優しい人になれます。
優しい女の子の育て方
優しい女の子を育てるポイントは2つです。
1つ目は「普段の会話や話し方に気をつけること」です。
女の子は男の子に比べて、言語を習得するスピードが早いと言われています。親が教えたつもりがなくても、普段の話し方や会話の内容をよく聞いています。実はあなたの話し方を真似ているかもしれないのです。日頃から愛のある会話を意識しましょう。
2つ目は「子どもの話をよく聞く」ことです。
「あの子とはもう遊ばない」など、女の子はお友達関係がこじれることもあります。「そんなことを言ってはダメ」と頭ごなしに叱ってはいけません。子どもだからとコントロールしようとせずに、しっかりと話を聞いてあげましょう。子どもも考えを持った上で行動しています。話を聞いてあげることで本人の気持ちも整理でき、受け止めてもらえた安心感から心が穏やかになります。
まとめ
優しい子の親は子どもの目をみて、考えや気持ちを肯定してあげています。子どものありのままを愛する気持ちが子どもに伝わり、子どもも他人をありのまま受け入れられるようになるのです。
子どもの優しさは、あなたの優しさで満たされることで育まれます。子どもをコントロールしようと思わず、不安な時は寄り添い、楽しい時は一緒に喜ぶことで、子どもは愛の貯金ができ、優しい子になるのです。